座談会@熊本の概要をまとめたブログは
ずいぶん長くなってしまいましたので
私、池田由里子の『リハビリテーション×ライフ』執筆担当箇所に関する
登壇時の話+α、その補足など、こちらにてお伝えいたします。
★インテリアスクールで学ぶ住まいの話は楽しくてワクワク、
一方、バリアフリーや住宅改修の勉強会は、勉強になったけど楽しくなかった。
同じように住まいについて考えているのにどうして両者は違うのか?
そのことに何とも言えない違和感、もやもやを感じていた20代の頃・・・
家を建てる、リフォームするなど
多くの人にとって、それなりの金額をかけて取り組む
人生における楽しいイベントであるはず。
なのに、不自由を感じる箇所を使えるようにするだけ、
すなわちマイナスをゼロにするだけの住宅改修に疑問を持ち続けてきました。
だから皆さんにお尋ねしてみました。
「あなたは、どんな家に住みたいですか?」
(加齢、病気、障がいなど、あえて考えずに、ただ自分の理想の楽しい住まいを
考えてください、とお願いしました。)

各グループでお話している皆さんのお顔は、キラキラしていて、
素敵な笑顔があふれていて、とても楽しそうでした。
障がいの有り無しにかかわらず
住まいを新しくする時、住まいについて考える時、
だれもがワクワクする気持ちを大切にしてほしいと思います。
まずは皆さん自身が「我が家で楽しく暮らす人」
・・・になっていただきたいです。
自らが楽しい暮らしを知らない人に、
クライアントの楽しい暮らしをサポートするのは難しいかもしれません。
★好きな雰囲気、自慢の我が家・・・
実はインテリアに「その人らしさ」が現れている。

写真:好きな色、馴染んだ家具、好みの調度品に囲まれた居室(デンマークの高齢者施設)
家屋調査に伺ったとき、
訪問看護や訪問リハで初めてクライアント宅にお訪ねした時、
ご本人様やご家族の方にいろいろお話をお伺いしながら
そのお宅の調度品、趣味の道具、色使いや雰囲気、飾りなどを見て
ああ、こんな趣味をお持ちなのかな、
こんな雰囲気がお好きなのかな、
もっとその方を理解しようと、家の中のものを見ようとしませんか?
そう、まさに家の中のハードではなく、
ソフト(=インテリア)に「その人らしさ」を知るヒントが数多く隠されています。
私たちは「その人らしさ」をサポートする、尊重するという言葉をよく使います。
医療福祉業界の便利な言葉としてではなく、
真の意味で実践していきたいものです。
「その人らしい」住まいづくりのサポートにあたって
住まいのソフト面、インテリアについて
共感したり、一緒に何かを考えたり、
そんな時に役立てていただけそうなノウハウ、その考え方を本書にまとめています。
ぜひお役立てください。
★「こんな家具が待っているなら、年を取るのも悪くない。」
この言葉は、北欧福祉家具の会社に勤務していた時、
一軒家を使った体験型ショールームのお部屋や家具を説明し終えた際に
お客様からいただいたものです。

写真:『リハビリテーション×ライフ』にも掲載許可をいただいている、
株式会社デアマイスター様の熊本ショールーム”ライフマイスター”の一室。
いかにも福祉用具、いかにも高齢者向けとわかるデザインのものは
それをいずれ使わなくてはならない未来に夢を感じられません。
年齢を重ねて、特定の動作ができなくなっても
道具を使えば自分で行うことができる・・・
その道具が使うのが楽しくなるように素敵なデザインなら
加齢も悪いものではないかも・・・と
ポジティブに受け入れられることでしょう。
機能的にはすばらしい福祉用具、住宅改修事例は増えてきました。
これからはもっと美しく、かっこいい、
使うことにワクワクするようなデザインを考えていきましょう。
福祉機器展なども、専門家のみを意識した、ただ道具を羅列する展示ではなく
暮らしの中でどのように福祉用具が使われるのか、
使いなれた手持ちの家具や調度品となじむのか、
そんなイメージがしやすい空間提案をする企業が増えてほしいと願います。

写真:『リハビリテーション×ライフ』内にも掲載許可をいただいている、株式会社ケアフォース様の
2015年国際福祉機器展の展示ブースの様子。
★想像を超えるゴールは、クライアント自身が見つけ、目指すもの。
私たちはクライアントが走る人生のマラソンの伴走者であり、サポーター。
どこが、なにが、ゴールなのかは、
クライアントが自己決定し、自ら目指すものであると私は考えます。
だからこそ住環境、クライアントの住まいを
安全で安心で快適な状態にしてあげることが大切です。
傷ついたり、疲れたりしたときに
なんの心配もせずくつろげる家があるなら
十分に休息をとれば、また走り出せる。
直接的な言葉かけより、
間接的に、環境が人の背中を押すということがあるのです。
★住まいを空間としてとらえることができるなら、
少なからず俯瞰力を身につけることができている。
例えば麻痺した手足だけを診る専門家ではなく、
その人のリハビリテーション(全人間的復権)を考えるなら
ものごとを俯瞰してみる力や
状況に応じて視点を上げ下げする、フォーカスを自在に操る能力が必要になります。
住環境整備を考えるとき、図面を読んだり書いたりすることがあるでしょう。
その図面には縮尺があって、実物大ではありません。
まずここで、部屋を、家を、上から俯瞰するという経験をしていることになります。
住空間を考えることは、あなたの俯瞰力を向上させることにつながるのです。
人間的な距離感や、問題点の見方を、
日々の経験で鍛えられたフォーカスで適切に設定し
真の意味でクライアントに寄り添えるプロになってください。

写真:最適なフォーカスで空間を切り取り撮影したり、適切な場所にスポットライトを当てたり、
そんな経験もクライアントへのより良いサポートに役立つことでしょう。
書籍にはもっと詳しく書かれてありますので、
ご興味がございましたら手に取っていただけましたら幸いです。
私の執筆箇所は、少しわかりにくいかもしれませんが
コラム、トピックスとして各章の間に掲載されています。
あらためまして、
10月20日座談会@熊本にご参加くださった皆様、
書籍を購入してくださった皆様、
心よりお礼申し上げます。
これをご縁に今後ともよろしくお願い申し上げます。

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~暮らしのリノベーション・住宅改修と住環境整備 7つの新常識~』
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